日本文化学科の授業紹介

日本文化学科で行われている授業の一例を紹介します。

日本人論Ⅱ

木村 直恵 准教授
家族を作るということ、家族の中で生きるということ。これは人類にとって当たり前のことで、太古の昔から現在までどこでも変わらないと思われるかもしれません。しかし人々が実際にどのような家族の中で生きてきたか、何を家族だと思っていたのか、そして家族とはどうあるべきと考えていたかということは、時代により、地域により大きく変化してきました。日本の歴史を振り返ってもそうです。近代150年の間にも、家族のあり方は大きく変化してきました。それは家族をめぐる状況の変化でもあり、また家族についての理想の変化でもありました。
この授業では近代日本の家族の実態と理想と社会条件の変化を、さまざまな史料とともに振り返ります。家族の歴史には、その時代を生きた人々の喜びや苦しみや理想や挫折の経験や感情が織り込まれています。近代日本の小説や演劇、美術作品も、それぞれの時代の家族のあり方を踏まえることで見え方が大きく変わってくることでしょう。そして過去の人々の家族生活をめぐるさまざまな実験や失敗は、私たち自身のこれまでの経験やこれからの人生を考えるための糧ともなります。家族の歴史を学ぶことをつうじて、歴史研究が生きるうえでの知恵となることを体感できることでしょう。

ことばの変化と多様性

福島 直恭 教授
主として過去および現代の日本語について、その音的、意味的、構造的、コミュニケーション的側面などからアプローチを行ない、その使用実態や、多様性を明らかにすることをめざします。そして、そこから「人間にとって言語とはいかなる存在なのか」ということを考えていこうと思います。
音的側面とは発音やアクセントなど、意味的側面とは語や文の意味など、構造的側面とは語順や結びつき、コミュニケーション的側面とは人間同士のコミュニケーションにおける言語の働きという側面のことをいいます。
言語の多様性を明らかにして、その意味を理解するということは、文化の多様性、そして個々の人間の価値観や世界観の多様性を理解することにつながります。自分とは違う「他」と出会ったとしても、それは単に違うだけであって、いちがいに優劣は付けられないという、現代世界を生きる上でぜひとも必要な認識の仕方を訓練するということになると思います。
昨年度のゼミでは、多様な言語が共存していて、言語の扱いが社会問題に直結している典型的な地域であるシンガポール共和国について、その言語事情と言語政策を学びました。今年は、国内の方言と標準語の問題を考えるモデルケースとして、沖縄県の言語事情をとりあげて研究しています。

伝統文化論Ⅰ(花)

今橋 理子 教授
 日本文化学科の「日本文化基礎科目群」に含まれる「伝統文化論Ⅰ~Ⅷ」の授業は、いずれも日本の伝統文化を理解するうえで、基礎的かつ重要なトピックスが提供されています。「基礎科目群」の授業は、学科や学年別の枠を超えて誰もが履修することができますので、特に1年生にとっては、各専門分野を学ぶための入門にもなり得るものです。
 「伝統文化Ⅰ(花)」の授業では、植物としての桜だけでなく、日本文化としての桜花の存在に注目し、その歴史や思想の営みを、現代における認識と対比しながら考えようとするものです。基本的には「文化史」の講義となりますが、考察の対象となるのは絵画や文学(和歌・俳諧)、また多くの生活文化や民俗学的資料の数々です。
 桜は古来日本において特別な意味を担い、人々に浸透してきた花です。おそらく現代日本人でも「桜の花が嫌い」という人は滅多にいないでしょう。歴史的には、とりわけ江戸時代は広く庶民にも桜は愛され、園芸・芸術・文学の分野のみならず、殖産興業や政治の手立てまでに活用されました。そして現代人でも桜は「日本固有の花」で「国花」だと信じている人が少なくありませんが、実はこれは、江戸時代に誤って広まってしまった言説が、近代日本を経て、さらに現代まで生きて残っている現象なのです。なぜにこのようなことが起きたのでしょうか――。豊かな文化的創造の源としての桜花は、日本人に多くの優れた芸術・文芸創造を齎しましたが、一方では太平洋戦争期における「国威発揚の象徴」という悲しい歴史も齎しました。そうした歴史を顧みつつ、桜花を愛する現代日本人の心の有り様を、再考したいと思います。
 なお本授業は、「比較文化論Ⅰ(比較日本文化)」(3年生以上が履修可能)と交替で隔年開講されますので、開講年度については学生便覧等で確認してください。

インターネット上のコミュニケーション

清水 將吾 准教授
 インターネット上にはニュース記事やブログ・SNSなどのテキスト(文章)が大量に溢れています。これらを分析することで、今までは見えなかった様々な人間のコミュニケーション活動が数値的に把握できるようになりました。例えば、製品のレビューサイトでは、個々の意見を集約することで全体としてどのような点が評価されているか・いないかを調べることができ、現在では多くのユーザや企業が活用しています。
 授業では、まず、基本的なテキスト分析手法について学びます。例えば、簡単な方法で、この文書にはどの単語がよく出現するといった頻度に関する情報や、この単語とあの単語はよく一緒に使われるといった語の共起関係を抽出することができます。その後、関心があるテーマについて、SNSなどのWeb上のテキストを使って学んだ手法を実践します。分析の結果からどのような発見ができるかはテーマ設定によって無数の可能性があります。

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詳細は大学案内パンフレットをご覧ください。

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