ジュネーヴ研修報告書(2018)

学習院女子大学では2013年度よりスイス連邦のジュネーヴ市に滞在する研修が毎年度欠かさず行われていますが、6回目の研修は2019年2月25日~3月7日に実施され、国際文化交流学部の1年生から4年生までの14名が参加しました。

現地に到着して最初に訪れたのは国連図書館でした。ロビーでUNCTAD(国連貿易開発会議)の城取美保さんと大日方森さんよりブリーフィングを受けた後、国連博物館と国連図書館を見学しました。国連図書館では書庫や閲覧室に案内され、国際連盟事務次長も務めた新渡戸稲造の文書や昭和天皇のお名前が記された貴重な史料を閲覧させていただくことができました。

国連図書館

午後には今年、創立百周年を迎えたILO(国際労働機関)で木津貴明さんよりブリーフィングをしていただきましたが、続いてIOM(国際移住機関)にて大野拓也さんより災害時の仮設住宅に関するお話を伺いました。翌日はWHO(世界保健機関)を訪問し、木阪有美さん、湊夕起さん、Kim Sooyoungさんよりブリーフィングを受ける機会に恵まれましたが、その前にWHOの会議室も見せていただくことができました。

WHO会議室

WHO関連の書籍や文具が販売されている購買部にはWHOの大きなロゴが店内にあり、格好の記念撮影の場所となりました。

WHO

次の日にはWIPO(世界知的所有権機関)を訪問しました。著作権管理課でお仕事をされているモンルワ幸希さんより熱のこもったお話を伺いましたが、その前にWIPOのお洒落なカフェテリアで昼食をとる機会にも恵まれました。

WIPO食堂

3月1日には名門のジュネーヴ大学の文学部を訪問しました。柴田亜矢子先生ご担当の3年生対象の日本語の授業と1年生対象の柴田先生とマーシャ先生の日本語の授業に参加させていただき、学生さんたちと日本語で楽しく交流しましたが、その前に充実した蔵書を誇る東アジア研究学科の図書室と趣のある階段教室も見学させていただきました。

ジュネーヴ大学階段式教室

土曜日の午前には長年、IOMに勤務され、移住問題総合政策局長という要職も務められた後に定年退職された谷村頼男さんによる、世界における移民問題に関するご講義を受講しました。午後には国連欧州本部、WIPO、OECD等、数多くの国際機関に勤務された後に国際機関人材開発スペシャリストとしてお仕事をされている小島晶子さんより国際機関で働くことに関する実践的なご講義をしていただきました。

日曜日には日帰りでフリブール州に出かけました。スイスのチョコレートの老舗ブランドであるカイエの博物館ではカカオからチョコレートがどのように作られるのかを学び、食べ放題の試食コーナーで多くの種類を味わうことができました。

カイエ博物館

午後にはグリュイエール市を訪れ、チーズ博物館を見学し、丘の上の中世の雰囲気の残る旧市街を歩き、グリュイエール城にて周囲の風光明媚な景色を堪能しました。その後、レストランで本場のチーズフォンデュをじっくり味わいました。

グリュイエール城

翌日には午後に在ジュネーヴ国際機関日本政府代表部を表敬訪問し、柿沼書記官より国際機関キャリアガイダンスをしていただきましたが、午前にはユニセフ事務所を訪問し、ジェンダーに基づく暴力に取り組まれ、ジンバブエや南スーダンにも勤務された山科真澄さんより熱のこもったお話を伺いました。

ユニセフ

国際機関訪問の最終日にはまずUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に足を運びました。広報用のビデオを視聴した後に南スーダンなど現場で難民支援にあたられてきた小田代佳子さんより心を引き付けられるブリーフィングを受け、展示されている難民支援物資についても説明していただきました。

UNHCR

最後に訪れた国際機関はグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)でした。昨年に事務所が移転し、通常の会議室とは異なるスペースで、高山眞木子さんより具体的なお仕事の内容やグローバルファンドの近年の取り組みや成果を学ばせていただきました。

グローバルファンド

本研修については、ジュネーヴ国際機関日本人職員会のホームページにも、国連図書館のロビー、WIPOの最上階、WHOの会議室での集合写真と共に掲載していただいておりますので、以下のリンクもご覧下さい。
https://jsag-geneva.blogspot.com/2019/03/blog-post_8.html

今年度の研修においても多数の国際機関及び在外公館の専門職員の皆様やジュネーヴ大学の先生方には大変お世話になり、極めて充実した研修を実施することができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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