国際コミュニケーション学科の授業紹介

国際コミュニケーション学科で行われている授業の一例をご紹介します。

文化遺産の修理と活用の変遷に関する比較研究

ウーゴ・ミズコ 准教授
人類の宝物である文化遺産をどのように見極め、 保存し、活用するかを考える。

みなさんは文化遺産と聞いて、どのようなことを考えるでしょうか。それらは慎重な取扱いを要する貴重なモノなのでしょうか。伊勢神宮のような著名な宗教建築と、毎年ご家族で初詣に訪れている地元の神社とでは、どちらに価値があると思いますか。将来の人々のために遺しておきたいと思うのは、どちらでしょうか。実は、どちらも私たちの生き方や文化、私たちのアイデンティティーを体現しており、私たちの生きる力になる重要なモノです。考えてみれば、私たちに遺されてきたモノ、表現されたワザは実に多様であり、また、実に多岐に亘っています。しかし、それでもすでに失われてしまったモノも少なくありません。それは、それぞれの時代や社会が様々な目的と基準で次世代に遺すべきモノを決めてきたからです。翻って私たちは、どのようなモノを遺すべきでしょうか。それらをどのように利用し、活かすべきでしょうか。授業やゼミでは、以上のような問題を念頭に文化遺産の理解を深めます。建築家や考古学者など、異なる観点から文化遺産に関わっている専門家もお招きします。ゼミでは街並みや博物館や歴史的環境を見学します。学生はそれぞれ興味のある文化遺産を選び、現地を訪れ、資料を収集し、関係者へのインタビューによって研究を進めることになります。
文化遺産をコミュニケーションツールとして、世界の国々へアプローチし、文化と歴史と社会の理解を深めてほしいと思います。

西洋史学・ルネサンス史

根占 献一 教授
イタリア・ルネサンスの時代、どんな影響を受けて文化が形成されたかを研究。
歴史的・文化的にヨーロッパを形成している伝統を「ギリシャ・ローマ的」と形容します。ここで、アテネと言わず、ギリシャと言い、イタリアと言わず、ローマと言っているのは面白い表現ですが、ローマはヨーロッパの人にとり長い間、実体的にも象徴的にもすべてでした。中世人は西ローマ帝国が滅亡していると思わず、シャルマーニュやオットー大帝はこれを引き継いだのです。ルネサンスの中心地フィレンツェは「ローマの娘」を意識し、東ローマ帝国の第二のローマ、コンスタンティノポリスを受け継ぐモスクワは「第三ローマ」と名乗り、帝国を永遠化しようとしました。
フォロ(英語のforumはこれに由来しますが、これはラテン語形そのものです)・ローマノに接するカンピドリオ(英語のcapitalはこれに由来します。英語の6割方はラテン語に由来します)の丘に立つと、アジア人もローマ「市民権」を得た気分になります。耳新しいことでは、ユーロ憲法に関わる会議がここで開かれました。映画<<ローマの休日>>に出るサンタ・マリア・イン・コスメディアン聖堂も近くにあります。そこでは開いた口に手を入れなければなりません。
専門ゼミ生の関心は多様です。イタリアの美術や音楽に関心があるかと思えば、廃墟と化したポンペイに関心を抱く学生もいます。また、キリスト教の伝統やアジアへの拡がりを調べようとしている学生もいます。来日した有力な南蛮人は多くがイタリア人でした。教皇庁は言うまでもなく、イエズス会の本部も、中心的な学校もローマにありましたから、これは驚くべきことではありません。将来は、新大陸の南北「アメリカ」―この名称がフィレンツェ人に由来することは周知の事柄でしょう―に向かう、「貧窮した」イタリア人(たとえば、『母を訪ねて三千里』に描かれたマルコ少年とその母親)の移住問題などに関心を有する学生も出てほしいと願っています。
限られた時間の中でのゼミですが、思想的にも視覚的にもヨーロッパ文化の本質を知ってほしいと願っています。パリの凱旋門も、ウイーンの国会議事堂も、ワシントンのホワイトハウスも地中海文明を知る者にはコピーとは言わないまでも、<既に視たもの>に過ぎないのです。

国際政治と情報戦略 - 21世紀の難問に備えて

畠山 圭一 教授
各国の歴史・文化・政治を分析し、現代の国際情勢をとらえ、近未来の世界の動きを予測する。
畠山ゼミは、国際社会と日本の将来を真剣に学ぶ場です。ゼミ生一人一人が日本や世界の将来へのあふれる使命感を持って、世界の動きを真剣なまなざしで見つめています。今日、世界の動きを無視して私たちの生活は成り立たず、私たちの衣・食も経済活動も自然環境も国際社会の動きに左右されます。一国の盛衰も国際社会の動きに決定的な影響を受け、国家戦略の誤りが国家存亡の危機をもたらすこともあります。60年前、日本もそうした事態に直面しました。国の行く末を真剣に考える者にとって国際社会の理解は不可欠なのです。
国際政治は実験が不可能な学問です。各国の情報を集め、歴史的事実を検証し、さまざまな事象が起こった原因を探る必要があります。ところが、高度情報化時代の今日、私たちはさまざまなデーターを瞬時に獲得できるようになりましたが、データ-が多い分だけ情報処理・分析は困難になり、情報の質も低下する可能性が高く、かえってコミュニケーションや相互理解を妨げかねなくなっています。そのため、今まで以上に相手のもつ固有の歴史、文化、伝統や政治・経済・社会を深く理解し、「相手の偏見や誤解を解消し、自らの意思を適切に相手に受容させる」発信能力と「状況を正しく把握し、相手の意思を深く洞察する」受信能力の向上を図ることが必要となっているのです。
このゼミでは、諸国、諸民族の歴史、文化、伝統を比較検討し、国際文化交流の担い手に必要な国際コミュニケーションおよび異文化理解に関する広い視野と深い洞察力を養います。教科書を読むだけではなく、考えることを重視し、考えることから本質に迫ることをめざします。

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