中欧国際協力研修報告書(2019)

2019年度学習院女子大学中欧国際協力研修のご報告

2007年に始まった中欧国際協力研修は13年目を迎えていますが、今年は8月13日~31日に実施され、国際文化交流学部の全ての学年から複数名が参加し、計11名が現地で貴重な体験を積み重ねました。

クロアチアでは毎年欠かさず日本大使館も表敬訪問しましたが、以下のようにホームページにも掲載していただいています。
https://www.hr.emb-japan.go.jp/jp/2019/nikokukan-2019-8-gakusyu.html

同国では中欧の雰囲気が漂う古都ザグレブ市を散策した他、クロアチア人の巡礼の地として知られるマリヤ・ビストリツァ市にも足を運び、教会を見学しつつ、無形文化遺産の木製玩具も目にしました。さらに、マラ・ゴリツァ村に立地する日本難民センターに足を運びました。年々、老朽化しているものの、敷地内を歩くことにより、日本のODAによって難民や国内避難民がどのような生活を送っていたのかを想像することができました。

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2019年に入って国名に「北」がつけられた北マケドニアは約500年ものオスマン帝国の支配を受けた歴史があり、同じくユーゴスラヴィアの構成国であったとはいえ、クロアチアとは雰囲気がかなり異なります。同国の首都で生まれたマザー・テレサの記念館を最初に訪問しましたが、複合遺産に登録されているオフリドでは今年も透明度の極めて高い湖畔のホテルに泊まり、学生たちは早起きして湖の上に立ち上る日の出の絶景を拝むことができました。湖畔ではお揃いのTシャツを着て、地元の中学生に対して平仮名や片仮名、漢字で名前を書いてあげて仲良くなった後、共同清掃活動で汗を流しました。

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セルビアではJICAバルカン事務所をまず表敬訪問しました。今年度は初めて同事務所のfacebookにも学女生の訪問について8月21日付で掲載していただいています。
https://www.facebook.com/jicabalkanoffice/

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続いて日本大使館を表敬訪問してセルビア情勢や経済協力に関するブリーフィングを受けた後、ベオグラード大学日本語学科の学生さんたちとドナウ川沿いのカレメグダン公園を一緒に歩いて歓談し、交流を深めました。日本語能力の高さと日本への関心の強さに触れて大きな刺激となりました。

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セルビアでは草の根・人間の安全保障無償資金協力の被供与団体の一つであるウブ市の幼稚園に足を運び、日本の支援で設置された暖房設備などを見学しました。また、昨年に引き続き、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のセルビア事務所も訪問し、同事務所が担当する難民支援業務について学びました。

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続いて、ドナウ川の北側のクルニャチャ難民支援センターを訪れ、折り紙や縄跳びなどでアフガニスタンやイランなどからの出身の子供たちと交流し、喜んでもらうことができました。今年初めて披露した糸電話は特に好評でした。

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モルドヴァではテレネシュティ郡カザネシュティ村のデイケアセンターの出稼ぎ孤児との交流がメインとなりました。センターの熱心な先生の指導により、子供たちは学女生で例年以上に多くの民族舞踊のみならず、モダン・ダンスも披露してくれましたが、今回初めて紹介したドラえもん音頭を一緒に踊る機会もありました。

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同国ではミレシュティイ・ミーチのワイナリーも見学した他、今年は初めてクルキの美しい修道院訪問やホジネシュティ村での陶芸体験、ヨーロッパ最貧国といえども賑わっている首都の大きなショッピング・モールであるMall
Dova訪問も行いました。

5カ国目のオーストリアでは国連、IAEA(国連原子力機関)、UNIDO(国連工業開発機関)等、19もの国際機関の本部が設置されているウィーン国際センターを視察しました。その際、永世中立国オーストリアの首都の中でいったんオーストリアを出国し、国連の領土に入るという形をとったため、国際機関の中枢に自ら足を踏み入れたことを強く実感する機会となりました。

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ウィーン市内で文化や芸術を味わう機会も設けられていますが、特にオペラ座でのウィーン・モーツァルト・オーケストラの演奏会は感動も大きいものでした。

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