中欧国際協力研修報告書(2018)

2018年度学習院女子大学中欧国際協力研修のご報告

2007年に始まった中欧国際協力研修は12年目を迎えていますが、今年は8月14日~9月1日に実施され、国際文化交流学部の全ての学年から成る14名が参加しました。

クロアチアではマラ・ゴリツァ村に建設された日本難民センターと近郊のドゥマチェ村に立地するコソヴォ難民が居住する新居を見学しました。日本難民センターで長年、難民生活を送ったボスニア出身のマラ夫人には今年も近郊のペトリニヤ市でお会いし、手作りのレース編みを購入しましたが、今回は初めて一つ一つビニール袋に包んで用意するなど、年々、工夫をこらして下さっており、毎夏の学女生に購入してもらえるのが生きがいになっているようです(写真参照)。日本大使館も表敬訪問しましたが、以下のようにホームページにも掲載していただいています。
http://www.hr.emb-japan.go.jp/jp/2018/nikokukan-2018-8-gakusyuinzyoshi.html

中欧2018(写真1枚目)

マケドニアでは首都で2泊のホームステイをして、マケドニア人の心からのおもてなしを体験することができました。市内ではアレクサンダー大王の銅像やマザー・テレサ記念館、そしてオスマン帝国の雰囲気の残る旧市街を見学しました。世界遺産(自然遺産のみならず文化遺産)にも登録されている国内南西部のオフリド地域にも足を運び、美しい景観とそれに調和するキリスト教建築物を見て回りました。オフリド湖畔では今年も地元の小学生と一緒に両国と国旗と学習院女子大学の紋章がデザインされたお揃いのTシャツを着て清掃活動に励みましたが、その後はレストランで歓談のひと時を過ごしました(写真参照)。名前を片仮名や平仮名で書いてあげたり、似顔絵を描いてあげたりして笑顔があふれました。

中欧2018(写真2枚目)

セルビアでは日本大使館とJICAバルカン事務所への表敬訪問、ベオグラード大学日本語学科の学生さんたちとの交流は例年通りでしたが、今年はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のセルビア事務所も訪問させていただきました(写真参照)。国際機関のフィールド・オフィス(現地事務所)を訪問するのは中欧国際協力研修では初めてのことであり、研修参加者の視野もさらに広がることになりました。しかもハンガリー国境が封鎖され、セルビアに滞留している中近東からの難民を収容した施設を訪問して、難民の子供たちに折り紙や書道、けん玉を披露して喜んでもらえたり、日本の草の根無償で建設されたコソヴォからの国内避難民のための集合住宅を見学したりする機会もあり、難民問題の現状を現場で学ぶことができ、セルビアでの滞在は極めて充実したものとなりました。日本大使館とセルビア難民委員会(英文)のホームページにも以下のように学女生の訪問について掲載されています。
http://www.yu.emb-japan.go.jp/itpr_ja/culture_0197.html
http://kirs.gov.rs/articles/navigate.php?type1=3&lang=ENG&id=3548&date=0

中欧2018(写真3枚目)

モルドヴァでは緑の多い美しい首都キシナウ市の街並みや、牛が沿道で多数見られるのどかな風景に触れることができました。首都の近郊では世界最大の貯蔵庫を誇るミレシュティイ・ミーチのワイナリーも見学し、モルドヴァのワイン文化の奥深さも実感しました。国内中部のカザネシュティ村のデイケアセンターには今年も足を運びましたが、国旗がたなびいている入口では、親が国外への出稼ぎで不在の子供たちが今年も色鮮やかなお花を用意してくれていました(写真参照)。デイケアセンター訪問は8年目となりましたが、学女生との交流はますます深まってきており、日曜日にも関わらず校長先生や村長さんも見に来て下さったほどでした。

中欧2018(写真4枚目)

最後の訪問国オーストリアの首都ウィーンでは国連、IAEA(国連原子力機関)、UNIDO(国連工業開発機関)等の国際機関の本部が設置されているウィーン国際センターを視察しました(写真参照)。また、世界遺産シェーンブルン宮殿や王宮、美術史美術館を見学し、オペラ座での演奏会で生の演奏も堪能し、文化や芸術にしっかり触れつつ研修は終わりました。

中欧2018(写真5枚目)

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