2024年度ジュネーヴ研修現地レポート(前編)
学習院女子大学第9回ジュネーヴ研修は2025年2月25日~3月10日に実施されました。
国際文化交流学部の全学科の1~4年生と国際文化交流研究科修士課程の大学院生がスイスに向けて出発しました。
経由地のチューリヒでは1泊し、市の中心部を歩きました。リンデンホーフの丘より2本の塔をもつスイス最大のロマネスク様式の教会であるグロースミュンスターを眺めました。
夕方にジュネーヴに到着し、翌朝はまず国連広場に向かいました。国連広場に設置され、クラスター爆弾を非難する巨大な「壊れた椅子」のモニュメントの前で写真を撮りました。
近くにたたずむガンジーの銅像の足元には、1年前に亡くなったロシアの反体制派指導者のナワリヌイ氏の写真が置かれていたことが印象に残りました。
最初に訪問した国際機関はIOM(国際移住機関)です。3名もの職員の方々による英語と日本語でのセッションに参加しました。終了後、正面玄関の前で写真を撮らせていただきました。
いよいよ国連欧州本部の敷地内に足を踏み入れました。まずは正門から主要な建物まで国名のABC順に高く立ち並ぶ加盟国の国旗に圧倒されました。
まずは国連博物館を見学しましたが、英語でアーキビストの説明を受け、展示物を見ながら国際連合のみならず国際連盟の歴史の概要を学びました。
次に隣接する国連図書館・公文書館に入り、司書の方より歴史の重みを感じる書架に案内されたほか、『新渡戸稲造 日本初の国際連盟職員』と題する和書を紹介されました。
国連図書館のホールにて集合写真を撮っていただきました。同じ写真は同図書館のFacebookにも以下のように掲載されています。
https://www.facebook.com/photo?fbid=1066910398808501&set=a.291386189694263
6年ぶりにUNICEF(国連児童基金)ヨーロッパ・中央アジア地域事務所を訪問しました。邦人職員の三枝さんと清野さんに会議室で中身の濃いブリーフィングをしていただいたのみならず、昼食にもご同席いただき、数多くの貴重なお話を伺うことができました。
数年前まではWTO(世界貿易機関)とWMO(世界気象機関)の間に立地していたUNICEFの事務所はILO(国際労働機関)本部の建物の中に移設されており、ILOの歴史を示した有名な青い長絨毯と加盟国の国旗が掲げられている通路で写真を撮っていただきました。
ILOとUNICEFの掲示板は敷地の北側にも設置されています。
国境なき医師団、グローバルファンド、列国議会同盟の建物を眺めながら在ジュネーヴ国際機関日本政府代表部に移動し、山田書記官より国際機関への就職に関するブリーフィングを受けました。
土曜日には多数の国際機関での勤務経験があり、現在は後進の指導に注力されている小島晶子先生によるキャリア人材育成に関する実践的なセッションに参加しました。
半日に渡る中身の濃いセッションを経て、研修参加者の意識も大いに高まりました。
土曜日の午後にはジュネーヴ市の旧市街に向かいました。カルヴァン他の主要な宗教改革者4名の巨大な石像を目の当たりにして、フランス語圏におけるカルヴァンらの果たした役割の大きさを実感しました。
19世紀初めにスイスが永世中立を大国に認めさせる上で大きな役割を果たしたピクテ・ドゥ・ロシュモンの銅像を丘の上の旧市街の入り口付近に見つけました。
旧市街の旧武器庫と公文書館の前よりジュネーヴ州の庁舎を眺めました。
トラムに乗って終点のMoillesulazで下車し、歩いてフランスに入国しました。国境とはいえ、検問所、柵など、遮るものが皆無で、誰でも自由に越境できることを知りました。
フランス側ではフランスとEUの旗がたなびくオート・サヴォワ県の建物を目にしました。
土曜日の晩には初めてのスイス料理を味わいました。まずはレマン湖で撮れる淡水魚のフライやスイス風ハッシュドポテトを食べました。
日曜日にはジュネーヴを離れてフリブール州に赴きました。今年もまずカイエのチョコレート博物館のあるブロ・ショコラトリーを見学しました。
午後には近くのグリュイエール町に移動し、丘の上の古城を見学しました。
グリュイエールのチーズ博物館に隣接するレストランではチーズ・フォンデュ、チーズの入ったリゾット、メレンゲなどの地元料理を現地で体験することができました。
駅前のチーズ博物館の建物の前で写真を撮っていただきました。
ジュネーヴでは喫茶店に立ち寄る機会もありました。キッシュのような軽食の他、タルト・タタン、フォレ・ノワール、クレーム・ブリュレといったスイーツも味わいました。