5月31日(金)「特別総合科目Ⅰ(外交官)」のご報告

5月31日 中條氏

2019年5月31日のゲスト講演では、内閣参事官の中條一夫氏(外務省より出向中)に「外交官の仕事:外交と対外コミュニケーション〜広報・報道〜」と題してご講演いただきました。

初めに情報発信を中心とする対外コミュニケーションの諸相について明快な説明をされた後、ご自身の二国間関係(韓国、米国、カンボジアの各日本大使館)での広報活動の実際を視覚資料を駆使してご説明くださいました。総理など要人の海外訪問に際して、現地の外交官は記者が取材をしやすいように撮影や取材の位置、タイミング、機材配備のためのスペースまで細やかに段取りをするなど、広報担当者は裏方で周到に準備をしなくてはならないことが良く分かりました。広く、広報担当者一般にとって必要な心がけと思われました。

国際的な広報活動の基礎となる「コミュニケーション能力」を鍛える具体的な方法については、語学力×中身×度胸(=コミュニケーションに対する強い意志)という立方体の最大化であるとして、①繰り返す②適度な負荷をかける③適度な負荷の見極めが大切等ご自身の経験に基づく実践的な方法を披露されました。

ゼミのような雰囲気で、後半の40分以上を質疑応答の時間にあてていただきましたが、学生が次々と挙手して時間が足りないほどでした。このように積極的に質問が出るのも、中條氏のコミュニケーション能力の賜物と思われました。回答をある程度想定して説明のご準備もしてあり、その点に注目した学生もありました。お仕事の達成感についての質問に対しては、国際会議の議長などご自身がやり遂げた場合もさることながら、年月をかけて、前任者から自分へ、またさらに後任者へと引き継ぎつつ、組織全体として何か大きな国家レベルの国際協力事業等を成功させた場合に、より一層大きな充実感を感じるというお答えが強く心に残りました。

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