5月17日(金)「特別総合科目Ⅰ(外交官)」のご報告

5月17日 石榑氏

2019年5月17日のゲスト講演では、元駐スロヴェニア日本国特命全権大使の石榑利光氏に「外交官/国際公務員の仕事とは?」と題してご講演いただきました。

計3回10年間のチェコ勤務時代やジェッダ総領事(駐サウジアラビア)および駐スロヴェニア大使としての政務、経済、文化交流にわたる二国間関係の、また、国連工業開発機関(UNIDO、ウィーン代表部)やユネスコ(パリ)における多国間関係の国際会議等での仕事内容とその醍醐味について教えていただきました。

圧巻は、治安が悪いパプアニューギニアでの体験談です。日本とは甚だしく価値観が異なり、強盗事件が頻発する任地にご家族を同伴されての生活環境は想像を超えるもので、他国の大使が目前で強盗に襲われている場に遭遇し、すぐに手助けした顛末には驚きました。
また、緊急援助活動として、タリバン勢力が潜伏しているアフガニスタン山岳地方を、吹雪の中、車で地震災害現場支援に向かわれた際の薄氷を踏むような状況、アルジェリア地震直後に日本から駆け付け人命救助に成功した喜び、プーケット(タイ)津波後の日本人家族救助活動での辛く苦しい思い・・・・いずれのエピソードもハラハラ・ドキドキしたり、胸の痛みを感じたりしながら伺いました。

このような多彩なご体験を踏まえて、外交官や国際公務員の仕事が、異文化との遭遇・交流の毎日であること、生活環境の困難を伴うこともあるが、その苦労に報いるやり甲斐ある魅力的な仕事であることを力強く語られました。

最後に、外交官や国際公務員になるにはどのような適性や条件が必要か、そのためにはどのような準備をすべきかについてもご説明いただきました。「何事も自ら進んで踏み出す勇気を持たなくては、それに見合った人生の充実感が得られない」と、背中を押していただいたようなお話であったとの感想が寄せられました。

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