6月28日(木)特別総合科目Ⅰ (外交官)の講演報告

6月28日のゲスト講演では、外務省研修所長・大使の斎木尚子氏に「日本外交の課題と展望」と題してご講演いただきました。斎木氏は、大変若い時からジュネーブでウルグアイ・ラウンドの経済交渉・国際ルール作りに携わられるなど、外交交渉の第一線で活躍されてきました。今回は、外務副報道官、国際文化交流審議官、経済局長、国際法局長を歴任されたご経験も踏まえて、日本の外交を幅広く総合的に論じてくださいました。

ご講演では、初めに、何故、職業として外交官を選んだのかをお話いただき、次いで、現在の国際環境、日本外交の重点分野、そして、これまで36年間のご経験に基づき、国際法、経済外交、広報文化外交、開かれたインド太平洋戦略、とテーマ別に外交諸相のポイントを紹介されました。

国際法を単なる机上の理論としてではなく、国益を追求するとともに国際公益に資する有効な手段と捉えられ、こうした「法の支配」を通じての国際秩序の形成・維持に、現在日本人が大きな貢献をしていること、それが日本のソフトパワーの一側面であることを指摘されたお話はとりわけ圧巻でした。バブルが弾けて以後日本の存在感が薄くなっているような一般的な思い込みとは異なり、国際的な秩序づくりにおいて日本が大いに存在感を発揮している、またさらに発揮しうるのは嬉しいことです。

このように端々に最前線の情報をふんだんに盛り込まれ、生きた外交の全体像が凝縮されている密度の高いご講演で、お話に聞き入っているうちにあっという間に授業時間が過ぎてしまいました。終業後も熱心な学生さんが残ってしばし質疑応答を続けましたが、中には複数の外交官志望の学生もおり、頼もしく思われました。「外交とは可能性を追求する芸術である」というお言葉が印象的で、かつそれが実感されたご講演であったという感想が多数寄せられました。

6月28日斎木様 写真.JPG


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